
2007.12.8、長野のライブスペース「ネオンホール」で「インディーズ フィルム フェスティバル ナガノ 2007」行われた。私も出品者として参加させていただいた。お誘いが急だったので新作というわけにもいかず、「忍者・山口三太夫」を見ていただくことにした。
今回は皆神山の時とは違って多少気が楽で、若い人達との交流も楽しみだった。どういうわけかカミさんもついてきてしまったので二人での参加となった。
会場はかなり人が集まっていた。私は今日ばかりは一杯飲みながら楽しみたかったので、始めからウィスキーを片手に観戦させてもらった。
新鮮な驚きとトキメキを込めて、拙いながらも作品の感想を綴ってみようと思う。
★「Room11」川瀬滋(京都)23;00め/ドキュメンタリー/06
アフリカのストリートチルドレンを作者のホテルに招いてインタビューをするところから始まる。二人の子供(小学、高学年くらいに見える)は、小さな雑貨を売っていずれは店を持ちたいという夢を語る。作者が金を出して、二人はストリートで箱をぶら下げてタバコやビスケットを売りはじめる。売上金でまた仕入れをして、箱はだんだん大きくなっていく。
ビデオカメラで撮っているので映像がナマなので、細かい生活が画面に写り込んでいる。貧困の中で生きる子供は、逞しくもあり、幼くもあり、心になにかを刻み込んでいく。
ストーリーがあるわけではないので結末はない。切り取られた時空を見て、そこから何が伝わるのか、そういう意味では十分に旅した気分である。
★「Swing,Swing,ブランコ」Unit 30man(東京)1;30/アニメーション/07
短いアニメ。ブスっとした女の子が鉄棒で逆あがりをしている。すると、世界が逆さになって上に落ちてしまう。どうなるのかな?、と思っていると、旅客機にまたがった女の子が画面をよぎる。それだけの話である。私は旅客機にまたがった女の子が楽しそうな笑顔だったのが好きである。ホッとするものがある。
★「hinagiku」島田量平(東京)20;00/実験映像/07
青を基調とした色調で、女性が出てくる。ところがこの作品のところで丁度酔いがまわって、私は居眠りモードに入ってしまいました。スイマセン…
★「A Person like Eight Yamazaki Domestic 1.00」Abnormal System (長野)28;00/ドキュメンタリー/07
皆神山の上映会で知り合ったAS氏の作品。長野で活躍しているシンガーソングライター「エイト・ヤマザキ」という女性を追ったドキュメント。まぁ、今時の女の子というか、わりと言葉が多いんだけど不安定で掴み所がない。監督のAS氏も作りながら戸惑っている。この作品はその戸惑いがテーマなのだと思える。
後で監督に制作意図を聞いたら「彼女はとても元気な女の子で魅力的だった。その元気の源を表現したかった。」という。しかし現実の彼女は様々な面を持っていてとても複雑だった。その戸惑いがそのまま作品になってしまった。監督の思惑とは違うものになってしまったようだが、だからこそドキュメントとしての面白味があるのだと思う。
私は「エイト・ヤマザキ」というネーミングがとても気に入ってしまった。本名は山崎でもなく、名前に八の字もつかないという。このセンスにはまいりました。
上映終了後、エイト・ヤマザキさんに合えた。作品とはまた違う印象で、とてもキュートな女の子でした。
★エイリアンズ」飯田剛(長野)5;00/物語/07
いいだごう監督の小品。時間が無い中でのアイデア勝負の作品という感じ。地上目線で鳩を写している。音声で妙な声が入り、字幕でエイリアンの会話と分かる。小さなUFOが飛び立ったと思われる時、鳩が一斉に飛び立つ。凝ってるな、と感心していたら、実はたまたまそうなったのだという。一夜漬けの印象だけど、彼なりのこだわりはよく出ていたと思う。
★「ここではないと、見られへんというやつを…」浜田俊輔(京都)25;00/ドキュメンタリー/07
痩せた盲人が地下鉄の階段を昇っていく。自転車や通行人がゴチャゴチャの町中を歩いていくのをカメラはずっと追っていく。盲人の日常的危うさに緊張する。この男性はどうやらダンスのサークルに入っているらしい。健常者の女性リーダーや仲間と語り合い、レッスンをしている。本人はメチャクチャだと言うが、盲人である彼のダンスには凄みがある。ダンスというビジュアルな芸を、本人は見て確かめることができない。どんな風にとらえているのだろう。見ていて興味は尽きない。
或るお寺で発表会がはじまる。床から彼が這い出してくるところで作品は終わる。タイトルの意味が活きてくる好い演出だと思う。
居酒屋で談笑する主人公。盲人であることに飄々としている。その人柄の魅力がこの作品を際立たせている。
★「闇夜と明かりの関係」谷岡昭宏(東京)3;00/アニメーション/04
★「organic machine 」谷岡昭宏(東京)3;00/アニメーション/04
★「Walker」谷岡昭宏(東京)3;00/アニメーション/05
同じ監督の短いアニメ。色調が印象的でした。アニメの油絵のようだと思いました。
★「ころりころげてWANDERLAND」甘利まさと(東京)16;00/ドラマ/07
幻想的な映像を苦労して作っているな、と微笑ましく見ていました。お金があれば、今ならどんな映像でも作り出せると思いますが、苦労して、知恵で勝負するのは大切だと思います。
見ていて入っていけないな、と感じてしまいました。原因は音楽だと思います。ずっとピッコロのような、タテブエのような音が流れております。幻想的な作品にはバイオリンやギターのようなサイン波の音が合います。テクニック的なことですが、せっかくここまで努力してもったいないな、と思いました。
ちなみにカミさんは一番印象に残った作品だと言っております。
★「音パフェ」塚本圭子(埼玉)2;00/アート
女の子がパフェを食べています。でも、機械的な音が入って、パクッと食べてしまいます。ただそれだけのアイデア作品ですが、映像がシンプルで色彩が美しくて印象的でした。この監督さん、CMなんか撮らせたら面白いと思います。
★「骨に」井上朗子(新潟)9;00/個人映画/04
祖母、農家の因習的不条理に振り回された女性。色褪せた映像。彼女は心になにを隠しているのだろう…。一緒に見ていたカミさんはずいぶん気になったようだ。女性的テーマなんだと思う。謎が謎のままなので男性としては歯がゆい…。
★「LAST BOY LAST GIRL」林勇気(京都)15;00/アニメーション/06
写真の人物を切り抜き、それがピョンピョン跳びはねて移動していくアニメーション。新鮮なアイデアと展開で楽しめました。この監督さんもCM作ったら面白そうですね。
★「呼吸」宮下ちとせ(長野)10;00/個人映像/07
水槽の中の藻のような浮き草のようなもののアップが延々と続きます。時々呼吸らしき小さな泡が出てきます。その外はこれといった変化はありません。この映画はなんなんだ?。頭の中にいろんなことが浮かびます。
まぁ、前衛的と言いますか、私には難解です。意味を持たせようとしていることが「意味」なのかな?
★「Life Work」岡沢じゅん(長野)10;00/アニメ/07
ごめんなさい。席を立っていて見逃してしまいました…。
★「カム−2007.12インフェスMIX」大木裕之(高知)30;00/アート/06
フェスティバルのトリをとるのはどんな作品だろう。監督はインディーズでは有名な方だという。かなり期待して作品に向かった。
最初から迷うばかりだった。幾つかの情景、人々、言葉が細切れに出てくるのだ。なにかの暗示なのかと推測してみたが、どうにも意図が分からない。この会のタイトル通り「インディーズ」らしい作品に出会ってしまった。
ある意味、表現とはもともと一人善がりのものだ。その表現が偏っていればいるほど強烈な個性となる。その個性がなにかの拍子に多くの人に受け入れられたりする。一人善がりと面白さは紙一重なのだと思う。この作品はあらゆる意味で一定の水準にあると思う。そして、私にはこの個性がよく分からない。こういうことなのだと思う。
印象が、一番目の作品「room11」とダブってしまって、このフェスイティバルの作品がループになって頭の中をグルグル駆け巡っている。

今回は近くのホテルに宿をとっていたので、上映終了後の打ち上げにも最後まで付き合った。それぞれの若い監督さん達と話ができて楽しかった。アニメの編集ソフトの話になると、ほぼ全員がMACで作っているというので、MAC使いの私としては嬉しかった。
インディーズ、ということで、どんなことになるのか、と思っていたが、作品の水準も高く、それぞれの作品に様々な思いを持つことができた。個人的には、やはり人間を描いた作品に面白味を感じた。「room11」「ここではないと、見られへんというやつを…」「エイト・ヤマザキ」などが心に残った。
今回は急な話で、私自身の作品は以前作った「忍者・山口三太夫」になったが、くしくもこの作品も人間を描いていることには違いない。しかし、できれば新作を作りたい。そんな思いを強くしてくれたフェスティバルだった。感謝です。どうもありがとうございました。
2008.3.24
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