
清里から佐久に向かって走る小海線沿いの道はGIZUMOにとっては憧れの地なのであります。GIZUMOはスキーをやらないので冬のことはよく知らないのですが、夏の高原はとても好きですね。(勝手だね)
2003,5月、長野に皆神山の取材に行った帰り、又々この道を通って帰ったのであります。前回はただ通り過ぎただけで、野辺山辺りから八ヶ岳を眺めたのですが、今回はもう少し高原を楽しみたいと思い、佐久から向かって八千穂で右に折れて高原を目指したのでした。しばらく走ると新しいバイパスの道ができていて、そちらに折れました。それからは周囲がずっと白樺の林で都会育ちのGIZUMOにとっては夢のような気分になるのであります。車を脇に停めて外に出ておいしい空気を吸ったりしていると、カッコーの声が聞こえてきます。なんとも言えない幸福感に包まれてしまうのであります。
スキイチ氏のところを朝の七時頃に出て、八時半には八千穂にいました。時間があるのでこの先にある「八千穂高原自然園」に立ち寄ることにしたのであります。あまり時間が早いので途中の池などに立ち寄って高原気分を味って九時頃入口に到着。一組の御夫婦がいるだけでした。200円を払って園の中に入ると、二人とはコースが分かれて、けっきょく一人で白樺の林を歩くことになりました。前日まで曇っていたんですが、時折日がさしています。白樺の林を通して木漏れ日がさしています。近くではカッコーや鶯が鳴き、「私は天国にいるみたいだ。」と呟いておりました。
園内には小さな川が流れていて、その付近には小さな湿地帯があって水芭蕉がありました。まだ花は咲いていないのですが、その可憐な姿に見入ってしまいました。実は水芭蕉のことを知らなかったのです。これがかの有名な水芭蕉なのか、と感心したのであります。この天国の園の中ではそんなことなどどうでもいいのです。全てが許されているようで、ゆったりした気分になれます。
こうして自然の中を歩いていると、宮沢賢治が花や鉱物がしゃべっていると感じた感性が分かるような気がします。こんなところで生きていけたら、どんなにいいだろうな、などと冬の厳しさも知らないGIZUMOが甘い夢を抱いてしまうのであります。
しばらく行くと遊亀湖というちょっとした池に出くわします。GIZUMOはここでリュックを下ろしてしばらくぼんやりしておりました。写真を撮ったりしていると近くで水音がしました。いってみると野鳥が水浴びをしております。GIZUMOに気づいて飛び去ったのですが、向こう岸の木にとまってこちらを見ているのが丸見えであります。こんな風に野鳥を見るのは初めてだったので、しばらく睨めっこをしておりました。園内に入ってまだだれにも逢っていません。できれば一日いたかったのですが、そうもいかないので再び歩きはじめました。

コースの終わり頃に何人かの人達と擦れ違うようになりました。みんな立派なカメラなどを持っていて、花や野鳥の写真を撮りに来たように見えます。「花はどうでしたか?」と声をかけられました。「つつじが咲いているだけでしたね。」と答えると「そうですか、まだ時期が早いですからね、」などと言いながらもしっかりカメラを抱えて去っていきました。入口には先ほどと違って十数人の人がいました。みんな登山の恰好をしています。軽装なのはGIZUMOだけであります。
たっぷりと天国の感触を味わって自然園を後にしました。その後、松原湖、野辺山などを少し見て中央道で帰宅。あの珠玉の時間はGIZUMOの魂に刻まれたのでありました。機会があったら何度でも行きたい場所になりました。


