★四阿山(あずまやさん) 
クマと思ったらウシだった?

 2007.07.19、梅雨の合間に昨年から気になっていた菅平高原の四阿山に登ることになった。メンバーはIZUMO隊長、K氏、GIZUMOの三人である。いつも話題の中心に居るMr.PがいないのでK氏はちょっと不安そうである。前日長野のスキイチ宅にお世話になり、早朝出発したので午前七時半にとりつくことができた。
 駐車場には立派なトイレがあり、GIZUMOはここで心行くまで用が足せたので気分すっきりである。まだ雲が残っているが、たぶん降られることはないだろうと思う。のんびりと牧場沿いに歩き出した。
 このルートは四阿山と根子岳の二つを登るのが普通である。GIZUMOは根子岳からと思ったのだが今回、IZUMO隊長は四阿山から行こうと指示を出した。


 牧場の切れ目から登山道に入る。すぐに山らしい雰囲気になる。いつもペースが早いとIZUMO隊長に指摘されるので、今回は意識的にスピードを落とし、ゆっくり歩くことを心がけた。
 川沿いに進んでいると、目の端に動くものがある。「アレ、なんだろう、」と指さす向こうに黒い動物が慌てて急な斜面を登っていくのが見えた。GIZUMOはカモシカではないかと思ったのだが、IZUMO隊長とK氏が「クマじゃないか!、」と叫んでいる。チラッと見えた背中が確かに熊にも見えたのでGIZUMOもだんだんそう思えてきた。「とにかく気をつけて行きましょう、」IZUMO隊長の声で歩を進めた。
 なんとなく行く先々で晴れてきたような感じである。ここは植物や珍しい虫の宝庫で、IZUMO隊長はデジカメを出しっぱなしである。第一目標の小四阿まで、軽い休憩を入れて二時間ほどで辿り着いた。ゆっくり歩くとずいぶん楽である。


 8時50分、そこから四十分ほどで中四阿に着いた。周囲は雲でよく見渡せないが、中四阿はどこから見ても人工的な岩座である。なんの意識もしなければ只の岩塊にしか見えないが、それなりの意図を感じればそれはそれで面白いものなのである。ここで一休みして汗を拭った。


 10時20分、四阿山山頂に到着。既に何人かの先客で賑わっていた。朝方我々より少し先に出発したと見られる男性陣がいたのでGIZUMOは声をかけてみた。「熊を見ませんでしたか?」登山者にとって熊は大問題である。すぐに顔色が変わった「エ?、どこで見たの?、どのコースから来た?、」と矢継ぎ早に質問が飛んだ。答えていくと、三人が急に笑いだした。「それは子牛だよ、牧場から逃げたんだよ。」「子牛?」GIZUMOが怪訝な顔をしていると一人が説明してくれた。「我々が通った時いたんで追い払ったんだよ。黒い子牛だよ。この辺には熊が食べる笹が生えていないんで元々いないはずだよ、」と言うのである。「そうですか、心配しないでいいんですね?、」と言うと又々三人とも笑った。なんだか損したような気分である。
 クマ問題も解決したところで山頂をぶらついてみた。ここは長野と群馬の県境で、二つの祠がある。各県に一つずつというわけだ。群馬側から来た人達の案内人が説明をしていた。残念ながら山の展望はないが、雲が切れた町はよく見えた。上田から長野までずっと見渡せた。


 ここで昼食をとったのだが、さて、根子岳をどうしようか、ということになった。実はK氏がかなり太ってしまって、曾てのGIZUMOのような状態なのである。タバコを止めて三ヵ月、丁度太る時期でもある。最初からストックを使っているのだ。また、IZUMO隊長も最近下りのペースがかなり遅い。膝に不安でもあるのだろうか。いろいろ勘案した結果、来たコースを戻ることにした。
 かなり意識的にゆっくり降りていくのだが、デジカメを手にしたIZUMO隊長は遅れ気味である。確かに可憐な花がたくさん咲いているし、途中であった人が教えてくれた天然記念物の蝶々が飛び回っているので被写体は尽きないが、それにしてもずいぶんのんびりである。
 中四阿辺りで急速に雲が取れて、四阿山、根子岳の全貌が見えた。根子岳はこちら側がずいぶん崩落しているように見える。元々そうなのか、最近崩落したのか分からないが、緩やかな稜線で、最初から見えていれば行けた感じである。なかなか雄大な景色である。ここで柏手を打って山の神様に御挨拶。二人が「またですか…、」といった顔で呆れている。
 再びのんびり下っていくのだが、登ったコースを下るといつも「よくこんな急なところを登ってきたな、」と感じる。今回もそうで「ゆっくり登るってのはずいぶん楽なんだねぇ…、」とK氏が感心している。確かにそうかもしれないが、やはり自分のペースってのもあるんで、今日の感じでは遅すぎるとGIZUMOは思っていたのであった。
 午後2時、牧場に到着。お約束のソフトクリーを食べた。疲れた身体にとっても美味しいのであります。なんのことはないここから二つの山がよく見えている。朝の段階でこれくらい見えていればまた違ったかもしれないな。今回はちょっと遊び気分で登った感じで物足りなく思うのであります。いつかチャンスがあれば、今度は根子岳にも挑戦したいし、とにかく展望を楽しみたいと思うGIZUMOなのであります。
 帰りは地蔵峠の「十福の湯」で足をほぐし、大きな露天でのんびりしてから帰路につきました。スケジュール的に余裕があったので理想的な山行きでもあります。しかし、やはり長野は遠い。秋になったら近くの山を楽しみたいのであります。

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